お口にいいハーブ事典

ムクロジ(無患子)

【主な作用】洗浄、抗菌、殺菌、抗炎症作用など

石けんのように泡立つ種子。

ムクロジ科ムクロジ属の落葉高木。学名は、Sapindus mukurossi。“Sapindus”とはラテン語で「インドの石けん」という意味。果皮に約10%の化学物質サポニンが含まれているため、水に溶けると石けんのように泡立ちます。平安の昔には灯明の煤(すす)汚れもよく洗い落とすことから、石けんとして洗濯や洗髪に用いられ、公家屋敷には多く植えられていました。また、中国から伝来した薬学書「本草綱目」(1596)には真珠の汚れを落とすのに用いるという記述もあります。

黒い種子は非常に硬質でよく弾むことから、日本では羽根つきの羽球としてお馴染み。数珠やそろばん玉にも用いられます。「無患子=災いを無くす種子」ということで、無病息災・厄除けのご利益のある木として寺社の境内に植えられることもあります。

果皮を日干し乾燥させた生薬名は「延命皮」で、主成分はサポニン。洗浄作用のほか、抗炎症、抗菌作用があるとされ、虫歯、歯周、口臭などに効果的な歯磨き粉にも配合されます。